昨日1つニュースが目に留まりました。
マツダ、タイ生産見直し バーツ高でSUVを日本に移管
出典:日本経済新聞 2019/12/21

本日はこちらについて思うことを綴ってみたいと思います。
イケイケどんどんで海外に工場移転していた時代
サラリーマン時代は自動車メーカーおよびその裾の関連業界も担当しておりました。
非常に時代の変化を感じる今日この頃です。
日本車メーカー及び関連業界がぐんぐん伸びたのは、ワタクシが社会人になるもっと前の時代1960年代ぐらいまででしょうか。
70年代、特に80年代冷戦頃からは「Japan as No.1」など 高度経済成長によって盛り上がった日本経済ですが、今度はジャパンバッシングを受けたり、アメリアの双子の赤字や貿易不均衡等から、日本の工場の海外移転がどんどん進んでいった時代のように思います。
為替の問題や貿易不均衡など、冷戦時代は先日記事にしたハリウッド映画だけではなく経済環境も様々なイベントのあった目まぐるしい時代だったように思います。
もう、ワタクシが仕事をするころには、多くの日本の自動車産業は工場を海外移転しており、海外の工場のシステム単体で、また海外及び本社側との同期ふくめてグローバルサプライチェーンやグローバル経営なんかのご相談が多かったように思います。
まだまだ、日本には「技術」も「金」も「人材」も圧倒的に勝っていると思われていた時代。
「乾いたぞうきんを絞る」形式で、さらなるコストダウンのためにピラミッドの頂点以下の系列にいろいろ無理いったり、「下請法」が成立するぐらい下請けいじめのじったいがあったりなど国内だけでの努力に加えて、「低賃金」及び「貿易不均衡」の是正を含めて海外現地生産ってのが増えていった歴史があると思います。
まだワタクシが自動車担当してた時代はいい時代だったんじゃないでしょうか。
まだまだタイやインドネシア、南米に新しい工場作って稼働させるのにシステムも間に合わせたいというものがありましたもの。
一度仕事でタイに某社の仕事でいきましたが、現地で複数の友人と話しても日本にいるよりIT屋さんも景気がいいんじゃないかと思うほどでした。仕事があって待遇も悪くないし、英語とそこそこ仕事覚えた若い人は日本におらずどんどん出ていくんだろうなぁと。
潮流の変化
今回取り上げた記事は、どちらかというとバーツの通貨高に起因するものですが、それ以外もいろいろ秘めてそうですし、バーツ以外の通貨もこの先どうなるかわかりませんしねぇ。
「安い賃金」「コスト(土地、設備、税金etc.)」を求めて「海外現地化」していったんですが、日本よりも賃金上昇率もたかいですし、もう「外に出すメリット」がなくなってきてるんですかねぇ。
アジアにも部下がいる友人にも聞いてましたが、日本の従業員、欧州の従業員、アジアの従業員の賃金伸び率、経済協力開発機構やらいろんなメディアがだしてますので一度ご確認ください。
散々新聞等で報道されておりますが、物価上昇率に対してこの数十年、日本は伸びるどころか下がってたりもしますが、欧州、日本以外のアジアは伸びています。特にタイなどは上昇率が著しいようで。
日本の政治家はデフレって言ってますが、個人的には実質スタグフレーションじゃないかと思ってます。
モノの値段は上がってませんが「量」が減らされてることが多くて実質物価はあがってるのをお得意の数字のマジックでうにゃむにゃにしてるよなぁと。
外人からしたら、日本ってどんどん「安い国」になってるんでしょうねぇ。だから観光客増えてるように思うんですけど。純粋に日本文化云々の前に。
出張で日本に来る東欧系の人々ですら、日本は安いっていってますからねぇ。
今でこそ、中国やらアジアからはまだ富裕層の来日が多いように思いますが、そのうち安全で安いから行くって位置づけの国になりそうだなと。
観光と産業は同列にできませんが、物価って要素にまとまっちゃうと「安い」って良い意味だけではないですからねぇ。
そして、一時期海外移転してた工場の日本回帰が始まるのかしらと思わす記事ですし。
この潮流変化、身近なものでわかりやすいのが、アパレルの製造国。
ユニクロや安い衣料品、一昔前はほぼ「Made in China」でしたが、最近中国だともうコストがあわないのか、ベトナムとかネパールに移っていってますよね。
さすがにこの繊維産業まで女工哀史みたいな「日本回帰」することはないと願いたいですが、「賃金が上がらない」「国際競争力がない」という事はそういう危険性をはらんでるってことですよね。
我が家は子供おりませんが、ほんと、これからの子供たちや若い人達ぜひしっかり目をひんむいんて世界をみて、自分の頭で考えてほしいと思います。
自分がこれから育つ子供世代であれば、日本でしか生活できないって結構リスクだなと思う今日この頃です。