ギリシア人の物語3 読了

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やっと読みました、アレクサンダー大王の巻である第3巻。敗者も同化するローマの伝統・真のダイバーシティは彼からですね。 ギリシャ人1、2巻は「300」に出てくるようなカッコイイ大人の男たち満載ですが、第3巻は若き英雄について、最後の章は涙無しには読めませんでした。 今回はこちらの感想をレポート。

父母それぞれの家系はアキレス、ヘラクレスからの子孫ってまぁ後世の人がつくったとしてもすごい血筋アピールです。本人が偉大でしたので、あまりフォーカスがあたりませんが、ワタクシ的には実にお父ちゃんのフィリッポス2世に注目です。近年のハリウッド映画ではアンジェリーナジョリーが演じたかあちゃんの方がフォーカスあたるのかもしれませんが、この父ありてこの子あり。

父子はよく喧嘩してたらしく、アレクサンダー結構「家出」してたそうで。でもなんだかんだ帝王学はじめ父がやった教育はすごい。まずよく知られている家庭教師はアリストテレス。彼もマケドニア人だったんですね。そして文武の武のほうはスパルタ式。スパルタのレオニダスがスパルタ人と同様の特殊訓練を学友含めて実施してます。そうです、時代は違いますが、テルモピュライ の戦い、映画の300ででてくるあの人のきっと子孫だか親類なんでしょうか。本人の才能もそうですが、こんな素晴らしい先生に教われるってのがほんと羨ましいです。

誰が一番の英雄かというので、よくあげられるのは、ハンニバル、スキピオ、カエサルそしてダントツのアレクサンダー。
「ダイヤモンドの切っ先」で総大将自ら最前線斬り込んで行く戦法は、他3人に比べて、若かったからかもねと。ナルホドですね塩野先生。ハンニバルやカエサルが名将として活躍してた年代にはすでにアレクサンダーは死んでしまってますし。

あと何よりもワタクシ関心したのはアレクサンダーの「スピード」。何するにも何しか、早い!で、もし違うと思ったらすぐ微調整したり変更する!ワタクシのビジネス経験踏まえてもそうですが、「できる人」の特徴そのままです。お仕事においても優秀な方はとにかくやることが全部早いし、間違ってもすぐ直す。これほんと重要な素養ですね。

一方で、天才ゆえにという悲しいこと。最後あたりのアリストテレスから学んでた時代からの親友が病で死んでしまい、心の支えを無くしてこのあたりから死期がみえてたんではないか、との塩野先生、ほんとそうですね。また、才能ある天才ってやっぱり孤独です。文武ともに一緒に育ったコンパニオンはアレクサンダーの成長速度にはついていけなく、理解もできなかったんでしょう。

世界史でも学んだと思いましたが、征服した地域で合同結婚式などの同化策や人材の登用、そして都市の建設など戦闘する武将としてだけではなく、政治家としても力量があったように思えるので、早逝の天才、もっと生きてほしかったです。

後継者がいなかったのが悲しいかな。「能力があれば誰でも」ってのはちょっと王様としては無責任な感じもしますが(笑)、やはり1代限りでは無くて仕組みや「システム」として如何に存続させるか、企業経営も一緒ですね。ま、でもヘレニズムは残りましたけども。

ワタクシ、「ギリシア世界」については現在の大学の卒業旅行でトルコにしか足を踏み入れたことがなく、ぜひギリシア・地中海文明の国々に行ってみたいです。残念ながら現在は政情があんまり思わしくないので、「ペルシア世界」であったり現在の北アフリカにはなかなか行けなさそうですが、チャンスをうかがっていつか!

多分このシリーズは再度読み返すと思いますが、当面次何読もうかと。この3巻の後ろに塩野先生「エッセイ」の年表と関連作品の図が。よし、出口治明氏の歴史本でも紹介されてましたが、次はシチリア育ちのドイツ人、皇帝フリードリヒ2世かな。皆様もご興味持たれましたらぜひ読んでみてください。