2020年、今年の夏は暑かったと、8月末日の本日思います。
そしてワタクシの夏も同様にこの7月8月はガンダム00シリーズ一挙見をするのに熱かった。笑
WOWOWさんありがとう。アイキャッチの画像はWOWOWサイトより出典です。
1st, 2ndの全50話、スペシャルエディションⅠ・Ⅱ・Ⅲ及び映画版までコンプリートです。
9月以降は燃え尽き症候群になりそうですが、これをトリガーに勉強したいものもでてきたので良しとしましょう。
もともとガンダムは大好きなんですが、実はシリーズ派生作品が多すぎて、1stとZを少し、そして最後のユニコーン、ナラティブぐらいしかみてません。
ああ、そして最新のオリジンね。
1st愛が強すぎるのかもしれません。
そんなワタクシですが、00、スゴイ良かった!
以下たぶんにネタバレを含むのでご注意願いつつ、感想を綴ってみたいと思います。
なぜ惹かれるのか、良かったポイント
ワタクシ、1stガンダムもそうですが、今回00でも同じ現象がおこりました。
視聴後、どうも悲しい方向に呆けてしまう状況が発生します。
これうまく言えないのですが、心にぽっかり穴が空くとも違うんですが、すーっと悲しい感じが続くんですよねぇ、子供の頃から。
たぶん、基本的に「戦争」「なぜ人は分かり合えないか」という普遍的に悲しいテーマがあるからかなぁと思います。
ドンパチしてるだけのアクションではないの。
今回もごたぶんに漏れず、すーっと悲しい感じがつづて、しばらく他の作品はガッツリみれそうにありません。
このように心を揺さぶられる作品を構成している要素についてワタクシなりに考えてみたいと思います。
まず、この00、これまでのガンダム作品と一線を画しており、ファンの中にはガンダム的ではないとの評価もあると聞きます。
ただ、良い方向に違っていてワタクシは大変面白く視聴できました。
良かった要素は以下数点。
- 純粋なサイエンスフィクションとして洗練されている
- 量子コンピューター、ステルスモードやGNドライブなどのエネルギーシステム
- 1stでいうニュータイプの発展形と思われる脳量子波の活用
- AI人造人間であるイノベイドの活用
- 戦略プランの秀逸さーイオリア計画とスメラギ・カティーの戦略プラン
- 魅力的な登場人物とその成長過程
- 1stガンダムへのオマージュをちり違う次元ばめつつ、違う次元の作品へ
- 宗教・紛争・政治を絡めた色んな立場の違いからストーリー展開
- やっぱりどんなに技術がすすんでも、一番の障害はコミュニケーション
- ラストはやっぱりSF的ファンタジー
それぞれちょっと掘り下げてみます。
クオンタム、量子の世界へ
こちらのガンダム、宇宙世紀ではなく、ちょっと未来の西暦が時代設定です。
21世紀から300年後ぐらいの。
で、今はまだまだ実用が難しいと言われている量子コンピューターが物語の中核を担っています。
ワタクシ、まだまだ不勉強なんで、もっとクォンタムの世界を勉強しないとな~と。
最近のアベンジャーズなどアントマンとかエンドウォーなどでもばしばし出てくる量子世界、量子コンピューターを今から12年ぐらい前の作品で先駆けて採用されてます。
0・1ビット古典コンピューターに慣れている昭和生まれは、量子コンピューター?量子のもつれでどうやって早く演算するのよ~となんとなくしかわかってないので、もうちょっと量子コンピューターを勉強しないとなと思わせるアニメってスゴイ。笑
Youtubeで京大の市民講座で量子物理学とかいろいろ見つけたので、この辺からまずは慣れてみようかと。
まぁ理論はシュレーティンガーの猫のイメージで両方ありのファジーな状態ってイメージしかないんですが、結果的には一部計算はものすごく速いってのだけで、今回アニメ観賞のベースとしては問題ありません。
さらに、同じ量子でもガンダムお決まりの「ニュータイプ」的な脳量子波もでてきて、またこれちょっと電子工学とは体系が違うんでしょうねぇ。難しい。
ネットで似たような概念を探すと、量子・波動からの派生でけっこう怪しいそうなサイトにも飛びます。
がんの治療の一つでも量子波動つかうグループもいるようなのですが、個人的には量子であろうが、波動とか気功系は距離を置きたいなと思う分野です。
脳量子波に関しては、これもアレルヤとマリーのくだりなどは「AKIRA」君的ボーイミーツガールでもあり、ガンダムシリーズとおしての強化人間の流れなんでしょう。
このように、量子の世界やら、「玉切れ」「燃料切れ」を起こさないようなスゴイエネルギー理論ってのが出来上がった(フィクションですけど)前提でのドンパチ、メカニックもすごいです。
1stの時代からミノフスキー粒子と粒子にはスポットがあたってましたが、00はGN粒子こと太陽炉で半永久的持続性のあるエネルギー源が搭載されたモビルスーツに進化してます。
さらには母艦やモビルスーツ両方に「ステルスモード」があったり。
攻殻機動隊にもありますが、やはりこの光学迷彩やハリーポッターの魔法のマント的に隠れられるって素敵。
架空の技術ではあるものの、未来を感じるテクノロジーにシビレます。
イノベイド(AI,人造人間)をとおしてみる、人間とは何か。
本ブログのタイトルにもなっているフィリップディックのSFの古典アンドロイドは・・・にも準じるテーマとして、「人間とロボットを分けるものは何か、人間とは何か」という事。
ここは感動ポイントでもあるのでたっぷり後述したいと思いますが、特にイノベイドのティエリアの成長っぷりをみると、本当にこの「人間であること」の特性って難しいと改めて思いました。
00にはキー要素としてイノベイター(イノベイド)という人造人間がでてきます。
いくつかの塩基タイプから、量子コンピューターであるヴェーダとリンクしつつヴェーダの手足、つまり行動する端末として機能します。
情報収集型もあればマイスタータイプでモビルスーツに乗れるタイプと。
人間以上の知力・体力・生命力・コミュニケーション能力・そして人間のような感情(妬みや優越感、欲)と学習成長能力を保持している。
人間とロボットを分けるものは何なんか、深い哲学的テーマです。
特に今回気になったのが、「欲」というもの。
リボンズ・アルマークは本来イオリア計画の忠実な実行者であるべきところが、乗っ取り己のプランに書き換えてしまいます。これはまさに人間的欲望ですねぇ。
自分が人間を超越した神として、その他イノベイドや人間を一段下に見ており優越感に浸るという非常に人間らしい感情を持っています。
もしワタクシがイオリア・シュヘンベルグの立場で純粋に自分のプランをゴールまで実行するなら、「欲」や「感情」といった要素はAIには持たせません。
イオリアのプランはほんと秀逸で「予測は裏切られる」という定石通り、自分の意図と外れる方向にプランが動くならば発動される「プランB」というか「トラップ」が色々盛り込まれています。
特に予想しやすい「裏切り」については周到に。
まぁその辺は人間だものって感じですが、この人造人間AIであるイノベイドの裏切りというか乗っ取りって、もっと計画段階から排除できそうと個人的には思います。
SFのようにフィクションで進んだ世界じゃない、まだまだできない世界の現代ですら、AIに色々判断させたら、きっと人類は抹殺されるはずです。
地球における一番のヴィランって、歴史をふりかえって、どう欲目でみても「人間ですから」。
容易に想像かできることだと思いますが、イオリアはイノベイドにこの人間の要素を組み込むんですよねぇ。
ちょっとこの辺は技術者としての限界への挑戦というか、原爆作った研究者と一緒で、試したいという技術者魂というかエゴが勝ってしまったように思いました。
ですが、このように人間らしい感情までも持たせたイノベイドであるから、当初プランにない刹那をガンダムマイスターに選び、最後には自分の選んだ刹那に滅ぼされるとなったのかもしれません。
人間、この愚かなる生き物への研究は本当につきないですし、人間とは何かという哲学テーマもなかなか00(ダブルオー)改め∞(インフィニティー)なかんじです。
ここまででも充分長いので、、、まだまだ書き足らない「戦略プラン」や「魅力的なキャラクターとその成長」については次回かいてみたいと思います。