ワタクシ、今年絹の竪絽の着物をあつらえました。
ので、最初は作った着物屋さんで洗いにだそうと思ってたんです。
が、今だすと5900円、10月にセール?するからその時1980円(結構違うな)っていわれて、じゃ10月にお願いしますってひっこめたんです。
でも、汗着いた服をそのまま放置するのが嫌なんですよねぇ。
放置したらした時間分汚れって定着するじゃないですか。
というので、近所の着物クリーニングだとどうかなぁと。
その後ネットで「丸洗い」「汗抜き」のクリーニングを調べてみたら!(驚愕)
ワタクシのお持ってた「汗抜き洗い」とは違いました。。。
しょうがない、自己責任ですが自分でやるかというので、手洗いで洗ってアイロンかけてみました。
結論から言うと、縦方向は若干縮んだけど全然許容範囲ないというので、今回この「自己責任だけど自分で絹着物洗濯」にチャレンジしたことについてレポートです。
汗抜きクリーニングって。。。
プロがジャポンって水洗いしてくれるわけではないんですね。
もしかしたらそういう悉皆屋さんもあるのかもしれませんが、ワタクシがリサーチした範囲では、
- 目視で汗染みや汗の部分を確認しながら
- プロの道具(スチームの霧吹きみたいなの)でプロが汗抜き技を施す
ようなんですよね。
「丸洗い」というのがいわゆるドライクリーニングで石油系で油汚れを落とすのにたいし、これでは「汗汚れ」はとれないので、汗抜きクリーニングすればさっぱりするかなと思っておりました。
が、私のイメージ水槽に着物ジャポンと投入してと勝手に思ってましたが、違うんですね。
もちろん目視確認で一か所づつプロが作業するのできっと綺麗になるんだとおもいますし、まぁ工数かかって手間賃で料金が高いというのは充分理解できるんです。
が、私がやりたいのはそういう洗い方じゃないんですよねぇ。
洗い張りする場合はジャポンとするわけでしょう?
もちろんほどいて反物にしてからですが。
なので、もしジャポン系の水洗いなのであればアイロン面倒だし、プロに任して、一旦縮んだあとから2回目以降は自分で手洗いしようと思ってたんです。
でも思惑がはずれました。。。
そもそもドライクリーニングも綺麗になるイメージないしなぁ。洋服もそうですが、生地が傷むイメージがどうしてもあります。
薬剤臭いし。
過去の実験。絹袷の自分での洗濯。
今回は夏着物なので、絹とは言え単衣です。
以前ワタクシはこれも自己責任ですけど、リサイクルで手に入れた絹の袷も手洗いで洗ったことがあります。
(ちなみに今この袷、和裁の勉強で胴裏と八掛を取り去って単衣状態です。秋に単衣としてちょっと着たら、また実験で「胴抜き」のアレンジバージョンで見える所だけ裏地付けるのを検討中ですので、またやったら記事にします。ワタクシ年中単衣でもいいんじゃないか派なので)
結果としてはこれも全然許容範囲内。
洗いの技術より、アイロンがけの技術が必要なように思います。
正直縦方向は機織りで糸伸ばしながら折るので、どうやっても縮むんですよね。
その代り裄など幅・横方向はほとんど縮ません。
まぁ絹糸紡ぐの考えたら、水と相性わるくないはずなんですよ。
繭ってお湯で煮ながら糸紡ぐでしょう。
問題は濡れてるときの摩擦(擦らない)と違う素材同士の収縮率の違いだと思うんですよねぇ。
着物屋さん、あつらえる前に絹でも水通ししてくれたら、縮んだ後に縫うのであんまり縮まず洗えるのになぁ。
まぁこういう手入れや、サイズ直しを自分でやりたいと思ったので、まずは構造の勉強のつもりで今年和裁教室に通ったんですよねぇ。
着丈ギリギリの絹着物はNGですが(むしろ長いと着にくいから縮んだらウェストじゃなく腰骨で腰ひも結べるのでこっちのほうが個人的にはウェルカム)、今回の夏着物も以前の袷も丈が長目だったんで、レッツトライ。
洗い工程、色落ちの思い出。
ほんとうはシャンプー・リンスでやるのがいいかもしれませんが、以前絹の袷あらったときにさすがいに初めてだったんで、エマール買ってきて試したんですよねぇ。
なので、今回この残っているエマールを活用してレッツトライ。
洗面所洗面ボウルで水をためて、エマールを投入し、混ぜて泡立たせます。
その後本畳みした着物を洗面ボウルに投入して押し洗い。
ここで擦ってはいけません。
少し染料がでてきて水が青くなりましたが、まぁ許容範囲内でしょう。
以前、夫のアメリカ土産のジョン・シナのスゴイ緑色のTシャツ洗ったら、他のタオルがスゴイ緑になって大変だったことがあります。
なんやねん、このプロレスTシャツ、しゃーないやろアメリカ製(きっとMade in China)やから。的な応報。
あの緑に比べたら、ぜんぜん大丈夫です。
アイルランド系のお祭りで、川が緑色に染まってるのを思い出しました。
押し洗い後、3分ぐらい放置してから、4~5回水を替えてすすぎ。
洗濯機で1分ぐらい脱水してみようかと迷いましたが、今回はあつらえた着物だし、リスクを考慮して
洗濯機脱水はやらず。
おおよそぎゅーっと着物の形のまま押すだけで、あとは風呂場に着物ハンガーで乾燥。
水でどぼどぼですが、この重さで生地が伸びる?そうなんで、そのまま。
4時間後ぐらいで半乾き状態で、アイロン祭りです。
ポイントは気持ち引っ張りながらアイロンすること。
この辺の加減が難しいのですが、古いアンティークとかリサイクルだと糸が弱っている可能性があるので、この引っ張りをビビッてできないと思うんですよね。
今回は今年のおニュー着物なんで、迷いなく引っ張りながらのアイロン。
結果的には縦方向に1.5cm縮みましたが、横幅系裄などはほとんどかわらず。
ワタクシの夏着物、一応お茶でつかうので敷居当てをつけておりましたが、これだけちょっと裾をあげないといけないです。
生地が異なるので、収縮率がちがうようで。
ちょろっとだけ敷居当てが着物から出るんですよね。
まぁこの辺は和裁教室で鬼のようになみ縫いやってるんで、ぜんぜん楽勝です。
袖丈が若干縮んで、一緒にあつらえたセオアルファの長襦袢ときっとずれが発生してると思うんです。
まぁこれは袖下ぜんぜん布が余って折ってあるので、これも和裁の練習で丈をだすか、セオアルファの長襦袢を短くするか。
まぁ来年の夏までまだまだあるんで、ぼちぼちやろうと。
というので、自分の備忘録として記事を書きました。
絹物は自己責任でお願いしたいですが、まぁワタクシの実験結果を参考にしていただければ幸いです。