以前、まずは練習もかねて小紋の長着の裄だしをやってみました。

結果はまぁまぁ。
満を持して、本命の訪問着の裄だしに挑戦です。
(ほったらかしてたとも言います。)
今回は2回目になりますが、前回とは若干違う部分もあるので、着物の自分でサイズ直しをレポートしたいと思います。
昨年は和裁教室に通って単衣を一枚縫いましたので、これを活かさなくては。



もともと和裁教室に半年通ったのも、着物を作るというより、和裁の基礎を学んで、どちらかとういうとサイズ直しやリフォームに活かしたいなと。
というのも、お着物て新品あつらえると高いじゃないですか。
普通のサラリーマンの月給より高かったりします。
でも地道に良ーく探せば、お値打ちのリサイクル品てなくもない。
まぁ失敗もありますが。



ただ、リサイクル品は匂い問題とともにサイズ問題があります。
あんまり大幅な変更だと労力だけかかるのでやりませんが、大概のもので問題になるのは「裄」の長さ。
現代人は腕が長いのですよ。
ワタクシそこまで高身長ではなく、中肉中背の160cm50kg程のほんと見本のようなMサイズ。
洋服はたいがいの既製品、そのままピッタリ着れます。
が、リサイクルの着物ってどうやっても裄のサイズが63cmとか64cmでちょっとそのままきるとカッコ悪いのです。
着物屋さんで測ってもらったマイサイズ的には68.5cmですが、66cmあれば許容範囲。
ただし、やっぱり63とか64cmだとツルツルテンテン感がでます。
特にお茶のお点前って裄が短いとわりと腕動かすので目立ちますしね。
観劇用の着物とかで、腕組しとけば短いのあんまり目立ちませんけど。
まずは現状分析。
今回の訪問着、昨年末にちょっと迷いつつ、エイヤってメルカリでぽちった着物です。
初釜で着るのは、一昨年着た別のピンクの訪問着を着るつもりだったので、裄直し作業は急がなくてもいいしとほったらかしておりました。
1日あればできますからね、裄直し。
正味縫うのはそんなに時間かからんのです。
- ほどいて(裏地、表地)
- 採寸して(身幅・肩側から何cmだせそうか、袖側から何cmだせそうか)
- 筋消しして
- マイサイズように採寸してチャコ引き直して
- もしくは縫い線をアイロンでつけて
- 待ち針留めて
からのやっと「縫う」が始まるので、正直「縫う技術」よりそれまでの段取りがものを言います。
これは和裁に限らず、洋裁、デザイン(設計)して何かモノづくり全般に言えることですね。
和裁の縫う技術はプロには怒られるかもしれませんが、自分で着る品質であれば、正直ぜんぜん難しくないです。
なみ縫いとか返し縫、まぁくけ縫いはちょっと大変ですけど、まぁそれぐらいですからね。
基本直線縫いだし。
というので、「自分でできるだろう」といういつもの自信満々な感じで今回もトライです。
マイ オブザベーションによると、この訪問着、袖側が4cm余裕があるので、折り返し縫い代を考慮しても3cmは出せそうです。
肩側も4cmぐらいだせますが、身幅は増やしたくないのでこっちはいじらず。
前回の小紋は袖側の裏地の生地が足りなくて肩側も出しましたが、身幅を増やしたくなかったので、そうするとどうしても袖付けの肩からの身幅ラインが斜めになって袖とは平行になりにくいのですよ。
着る分にはぜんぜん問題ないのですが、畳んでしまう時に綺麗に折りたためないのでできれば方から身ごろのラインはできるだけ角度をつけたくないのです。
というので、今回は余りもあったので、袖側だけの直しで済みそうです。
と、現状分析の上、最終工程までの作業工程を洗い出してシミュレーションしてちゃんと計画立ててから作業を実施するのがポイントです。
天才以外はちゃんとこういうプロセス踏まずに、初見で作業始めちゃうと失敗するのみえみえなので気を付けるポイントです。
裄だし実践。
詳細プロセスは別のブログさんにゆずるとして、ここでは割愛です。
まず、裏から袖を身ごろから外すためにほどきます。
和裁の良い所は返し縫ポイント以外は2か所糸切ると、すーっと抜けるのが気持ち良いです。
これ結構好きで。
洋裁でミシンだとこうはいきません。ほどくの結構大変。
縫いはじめや肩などの中間地点は返し縫してると思うので、このへんは糸きりで丁寧にとってあとはぴーっと糸ぬきます。
同様に表地も袖の縫い目を外します。
今回ほどいてみてわかりましたが、この訪問着を縫った方は袖の付け根の力布は無しでぬってますねぇ。
くけ縫いも2重だし。
と、分解すると先人の縫い方が色々違いが判って面白いです。
ワタクシ、和裁教室では袖付けする時は2か所縫いはじめと終わりに力布をつけると習ったなぁと頭の片隅にあったので、教科書の資料を見直して確認。
結構忘れてるな~と手順を確認です。
外した袖はまず筋消しを。
当て布に霧吹きかけて直接生地に霧吹きはかけずに、アイロンしてみます。
ああ、この訪問着パールトーンがちゃんとかかってるみたいで、霧吹きかけてもはじいちゃうみたいですが、、まぁ蒸す感じでアイロンです。
織り込んでた部分が、若干色が違いますがまぁしょうがないですね。
よっぽど私マニアで凝視されないと脇に隠れる部分かと思うので、まぁよいでしょう。




マチバリを打って縫っていきます。




袖側の縫い代ギリギリです。5㎜ぐらいでしょうか。




表地の袖がついたら、アイロンでキセをかけます。
その後、裏地の新しい縫い線でくけて縫い合わせます。
今回袖の振りの部分もほどいてあるので、ふりの部分は表地と裏地をくけます。




片袖するのに正味2時間ぐらいでしょうか。




アイロンかけてできあがり!
よし、これで3月の国立劇場の歌舞伎のチケット買ってあるので、今回はこの訪問着を着て行こう!
楽しみだ~